General incorporated association Hirabayashikai
2024年3月30日
平林会木材協組(湯川昌子理事長)は平林会(理事長・小林健次郎氏)・大阪府木連(会長・津田潮氏)に呼びかけて3月30日(土)、去年に続いて視察研修会を実施した。視察先は高野山、奥の院の巨木見学と宿坊での精進料理がメイン。参加したのは、湯川昌子・山川浩之・島津浩之・高好章二・前重興亮・白井昌子・井上京子・竹本三千雄・村上顯・小林健次郎・尾﨑龍一・津田潮・津田由貴・三宅英隆・三宅道代・伊藤正雄・川邊博史・川邊典子・松山泰造・杢保正夫・竹山通明・竹山康子・黒瀬浄弘・松原英夫・児玉鈴鹿・島崎公一の26氏。
長雨が続いたなか本日限りの晴天に恵まれた30日の朝9時に平林の大阪木材会館を大型バスは出発、阪神高速湾岸線から京奈和道を経由して目的地の高野山に向かった。途中、車内では湯川理事長の挨拶や参加者紹介もあり2時間弱で到着した。
今回の企画は高野山の№2である僧侶・山口文章師の存在が大きい。師は京都府立大学で林学を学んだあと当時の大一商店に勤務。その関係もあって木材業界に知己が多く、木材界の有志が集う「廿日会」で講演頂いた時に「いつでも来てください。ご案内します」の言葉に今回甘えた。師は高野山に戻ってからも高野山の所有林を管理運営し、高野の山の木を知り尽くしている。著書「新高野百景」は名著である。師は現在、高野山学園の本部長の任にある。
壇上伽藍の門前で待ち受けていた山口師(先日骨折、松葉づえ姿)の案内で大伽藍を視察する。金堂や有名な根本大塔を師の懇切丁寧な説明付きで巡った。小学校の修学旅行以降幾度となく高野山にはお参りしているが単なる見学だけ、今回は1200年前に生きた弘法大師の偉大さに感服した。真言密教、曼荼羅・・・知っていそうで知らない事ばかりだった。根本大塔はコンクリート造で再建されたが師は「次は必ず木造で建てます。1000.年保たすには木造しかございません。コンクリートでは改修が出来ないが木材はそれが可能なのです」の言葉が印象的だった。
昼食は報恩院での精進料理。小林健次郎平林会理事長の挨拶、津田潮大阪府木連会長の乾杯で始まった昼食の半ば、詩吟の前重興亮師範が空海の「後夜聞佛法儈鳥(ゴヤブッポウソウチョウをきく)」を朗々と吟じ、拍手喝采を浴びた。精進料理は想像以上の美味しさだった。
昼食後は奥の院の巨木見学。普通なら立ち入らない所に山口師は導き、説明が始まった。高野山の木々は人工林だという。巨木が2本3本4本と重なっている。この根っこが問題なんです、と。普通の植林は間伐等を行って間隔を空けるがここでは巨木が重なり合っている、不思議な光景だ。見渡せばそうした巨木が無数に存在する。写真のスギは胸高直径2.52m、樹高43m、推定樹齢843年。「ここは奇跡の森です」と山口師。ここまでが山口師の足の限界。不自由な足で長時間ご案内いただき、言葉に尽くせません。ありがとうございました。
その後一行は奥の院の墓所を散策したあと金剛峰寺を見学、帰路についた。高野山は聖地と呼ばれるだけあって一日過ごしただけで心が洗われた気がする。この清々しさは一体何だろうか?