General incorporated association Hirabayashikai
2022年11月25日
(公社)日本木材加工技術協会関西支部早生植林材研究会(代表世話人・村田功二京都大学准教授)・林野庁近畿中国森林管理局(局長・柏原卓司氏)・(一社)平林会(理事長・小林健次郎氏)の三者が主催する産官学共催セミナー(テーマ:里山の資源を考える)が11月25日(金)に平林駅前の大阪木材会館で開かれた。新型コロナ第8波の懸念や申込期間が短かったものの当日は会場22名、オンライン48名が参加して講演に耳を傾けた。
村田氏の司会で始まったセミナーの冒頭、柏原局長が「里山の重要性が見直されつつあるタイミングでのセミナーです。早生樹はスギ・ヒノキ以外の選択肢、実り多きセミナーを期待します」と挨拶した。
最初の講師は井上信也クミノ工房代表。無限の可能性を秘めた組子の積み木を駆使し、人と森と里山をつなぐ積み木-クミノのアイデア-を報告した。続いて京都府大の糟谷信彦先生が「桜餅用のオオシマザクラの葉の持続的生産」と題して講演、荒廃農地の再利用と無農薬での収穫状況について2年に亘る研究結果を報告した。3番目の講師は京都大学の貫名涼氏。京都の伝統を支える「チマキザサ」について発表。京都の街角ではごく普通にみられる光景である。先人が築いた文化の継承を強く同氏は訴えた。
休憩時間を利用して会場参加者は9年前に平林ウッディパークの道路沿いに植林したセンダン20本を見学した。第2部は「九州の早生樹利用の現状報告」をテーマに大川家具工業会の田中智範部課長がセンダン製の家具の実情を交えて報告した。続いて近中局の上野康史氏が「近中局のセンダン植栽試験」を大阪南ロータリークラブの谷村一行議長が「植林を通じての社会奉仕活動」と題して講演した。
閉会に当たって平林会の小林理事長が「実にタイムリーな講演でした。当会は9年前に平林ウッディパークに熊本発のセンダンを植林しずっと見守ってきました。この植林を契機に毎年平林でシンポジウムを開き産学官共催セミナーに発展してきました。これからも末永く応援したい」とエールを送った。
小林理事長
柏原近中局長
センダンを見学する皆さん