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2022年4月5日

京都大徳寺 保存修理見学会

大阪府木連と平林会木協が共催

 

大阪府木連(会長・津田潮氏)・平林会木協(理事長・小林健次郎氏)共催の研修会「京都・大徳寺保存修理見学会」が4月5日(火)午後に催され、30名弱が参加した。
事の発端は府木連が2月4日にリモートで開催した新春懇談会。席上、府木連の特別顧問今村祐嗣京大名誉教授が現在携わっている文化財の保存修理について熱く語り、津田会長の知的好奇心を喚起させたことによる。間髪を入れずに見学会が企画されたのは津田会長の真骨頂。当日各方面から参加したのは、津田潮・稲川雄一・松下哲也・幕田貴行・宮後浩・伊藤正雄・徳岡浩二・末吉哲郎・小林健次郎・池辺義雄・島崎公一・児玉鈴鹿・中村暢秀・山形政明・今村祐嗣・中尾正治・三宅英隆・増田祐嗣・新生敏江・藤木剛・有田慶司・有田泰麻・川井秀一・三宅道代・鈴木敏彦・田中俊介、以上のみなさん。 大徳寺総門前に集合した一行は今村先生が先導役となって唐門(国宝)に向かった。案内役は京都府文化財保護課の竹下弘展氏、見学者の質問にも懇切丁寧に対応してくださった。竹下氏によると京都府は宮大工を13人抱えており、木材の調達は府が担当しているという。
洛北紫野の大徳寺は臨済宗大徳寺派の大本山。鎌倉時代の開祖だが応仁の乱で灰となりその復興に寄与したのが有名な一休禅師。桃山時代から江戸時代にかけては茶の湯文化と共に栄えた。令和2年11月から始まった改修工事は令和8年7月まで5年がかりで5棟の建物を修理する。
唐門は1637年の寛永復興の時の建物、天正時代の聚楽第の門から移築したとされ、秀吉好みの桃山文化を今に伝えている。木材はケヤキが主体。
伽藍の奥に位置する方丈(国宝)はホテルに例えれば大宴会場、接待や宗教行事の場として使用された広大な空間。寛永年間に堺の豪商らの支援によって建てられたもの。修理中に大徳寺の方丈に敷き詰められていた日本最古の畳が発見され、畳の裏には墨書で「寛永13年(1636年)結夏日」とある。(京都新聞)今から約400年前の畳だ。 文化財修理は気の遠くなるような細かい手仕事が多い。先人の技術と知恵が凝縮した建築物から学ぶべきことは多いが木材は今では入手が困難な無垢材ばかり。でも残さなければならない。
見学を終えた一行は夕食会場の四条大橋西詰の「東華菜館」に向かった。「東華菜館」は大正15年に建てられたW・ヴォーリーズ設計によるスパニッシュ・バロックの洋館。ヴォーリーズと言えば山形政明先生。開閉手動式の懐かしいエレベーターで屋上に上り、山形先生の説明を受けた。
席を階下に移して夕食会が始まり、冒頭、津田会長が「文化財探訪は2,3か月に1回は催し、府木連のシリーズにしたい」と発言(彼は有言実行の人)、来賓諸氏(宮後・今村・中尾・川井・山形)の挨拶のあと歓談に移った。


平林会


平林会


平林会


平林会

東華菜館屋上にて