ワクチン職域接種１回目　大阪府木連と共催

　大阪府木材連合会（会長・津田潮氏）と平林会（理事長・小林健次郎氏）が６月初旬から連携して進めていた「ワクチン職域接種」が２か月遅れの９月8日（水）～12日（日）までの５日間、平林駅前の大阪木材会館で始まった。ワクチンの職域接種は各方面で実施されているが木材業界では岸和田のコンビナート協会（村上顯会長）と新木場の東京木材会館の所有者である東京木材問屋協同組合（理事長・渡辺昭氏）、そして今回の府木連・平林会連合の３者のみである。今回筆者は平林会事務局員として実体験した。５日間で1200人弱への接種、南港病院紹介の医師や看護師はもとよりボランティアとして参加した毎日50名超の木材人に感謝するとともに社会貢献・国際貢献を含めてワクチン接種の果たした役割は大きかった。木材業界の自慢、誇りと言っても過言ではない。

強力なリーダーシップ

「ワクチンの職域接種を僕たちもやろう」と声を上げたのは津田潮大阪府木連会長（津田産業社長、平林会副会長）と越井潤同副会長（越井木材工業社長、平林会理事）の両氏。役人的発想なら「面倒くさくてやらない、やりたくない」のが普通だがこの両氏の意識は違っていた。すぐに行動に移したのだ。実施に当たっての事前打ち合わせも5回以上済ませ、シナリオもマニュアルもすでに出来上がったいた（越井氏）。6月時点では1800人超の申し込みがあったが2か月の延期で今回は1200人、それでも大変な人数である。募集に当たっては府木連・平林会の事務局に加えて津田産業・越井木材工業・コシイプレザービングの社員さんらが応援、日程調整等の煩雑な作業をこなした。前日の9月7日は会場設営及びリハーサルが行われ、越井潤副会長が陣頭指揮を執り当日に備えた。

準備万端整えて

ワクチンを打った方ならご存じだが、動線が極めて重要となる。まず、検温・消毒⇒待機場所で順番待⇒受付⇒予診票確認⇒（予診前相談・必要者のみ）⇒予診⇒接種⇒接種済証発行⇒状態観察（15分・30分）・緊急対応、の流れになる。その前段の駅前誘導や駐車場案内にも人手はかかる。１日のスケジュールは午前７時から９時30分までワクチンの解凍時間＝午前使用分は室温（15～25度Ｃ）にて解凍、午後使用分は冷蔵庫（2～８度Ｃ）で解凍。スタッフは8時半に集合して９時に朝礼（津田・越井・三宅の三氏が挨拶）、接種開始は９時30分から。30分刻みで20人ずつ接種、昼休憩を挟んで午後４時45分に接種は終了。１日の接種用予定者は240人。

ワクチン廃棄　少なし

「ワクチン廃棄」について報告する。８日237人、９日240人、10日239人、11日236人、12日235人、合計1187人。1200人に対して13人のキャンセルが出たことになる。しかし実態は違う。当日のキャンセル人数が午後3時以降に橋本局長から報告され、その時から穴埋め作業がスタートする。「ワクチンの廃棄はモッタイナイ」の精神のもと地元の平林会（非木材含む）・府木連の事務局らが近隣の接種希望者を探すのだが時間が足りない。いつ出るか分からないドタキャンの穴埋め作業は極めて難しい。それでも7～8人の穴埋めには成功したようだ。当然だが240人もいればいろんなことが起こる。夫婦二人で接種予定だったが子どもの体調が悪化したとか昨日コロナの陽性になったとか・・・悪意のドタキャンはなかったようだ。

社会貢献・国際貢献

接種者の実情を報告する。さすがに65歳以上の接種希望者（数名）は少なかったが「ワクチン難民」と称される外国人労働者が目立った。越井副会長は「接種券が届いても日本語が難しくワクチン接種の応募ができない外国人が多い。今回の職域接種はそういった意味でも社会貢献・国際貢献に値する」と述べているように、外国人に限らず大阪以外からのワクチン難民が多数来場していた。
心配されていた事故もなく（若干名が体調不良を訴えただけ）、廃棄ワクチンも少なく、大成功の「職域接種」だった。会場となった大阪木材会館の評判は上々、看護師さんらは「こんな木の多い病院で働きたい。木のカウンターが欲しい」と絶賛。完成してもうすぐ２年、この短期間に1200人以上の来場者を迎えたのは初めてのこと。木材会館の1階ホールの使用についての一つの答えが今回の職域接種で示されたと思う。
津田会長・越井副会長・三宅専務・橋本局長・児玉平林会事務局員・ボランティア（越井・津田・コシイプレザービング）のみなさん・府木連平林会事務局の面々、お疲れさまでした。ありがとうございます。2回目の接種は10月6日（水）～10月10日（日）まで。来年には3回目の接種があるかもしれない。