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大阪市住之江区平林南1-1-8 大阪木材会館2F

2021年9月7日

早生植林材研究会=オンライン=シンポジウム 

生物多様性と里山の管理・活用

 

 (公社)日本木材加工技術協会関西支部早生植林材研究会(代表世話人・村田功二京都大学准教授)・林野庁近畿中国森林管理局(局長・山口琢磨氏)・(一社)平林会(理事長・小林健次郎氏)主催のシンポジウムが9月7日(火)午後1時から開かれ、240名近い登録者が熱心に聴き入り、質疑応答も活発に交わされた。当初は会場(大阪木材会館)とオンラインのハイブリッド開催を想定していたが緊急事態宣言延長に伴いオンライン開催のみとなった。 広葉樹の早生植林材「センダン」を熊本県から導入して「平林ウッディパーク」に植林、早や7年の歳月が流れた。木材業者を中心に組織する平林会は、近い将来必ず枯渇する広葉樹の用材を輸入材に頼らず自前で調達しようとする広大なプロジェクトに賛同、折に触れて産学官の産の一員として協力してきた。今回のテーマは「生物多様性と里山の管理・活用」。その道の研究者が構造材とは違った視点で家具内装材に使用される広葉樹、特に里山広葉樹の活用・解決策をオンラインで講演した。
MCの村田功二座長が進行役を務め、主催者の一人近中局の山口局長の開会挨拶に続いて6氏の講演がスタートした。 まず兵庫県立大学の大橋瑞江教授が「森林の生態系サービスと炭素循環」をテーマに講演、森林生態系の8つの働き[①物質生産機能②土砂災害防止・土壌保全機能③水源涵養機能④地球環境の保全⑤生物多様性の保全機能⑥快適環境形成機能⑦保健、レクリエーション機能⑧文化機能]について分かりやすく解説した。続いてナラ枯れの研究等で著名な神戸大学の黒田慶子教授が「里山広葉樹の木材資源化で循環型社会を実現する」について、日本の森林に対する誤解(森の木を伐らないことが環境・生物多様性等を守る)を解くことから話を始めた。里山は元々薪炭・肥料を得るため、農家が持ち主だった。それが半世紀放置され荒廃した。里山は人が管理した結果、生物多様性が高まり、景観が良くなった。ナラ枯れは木材が売れるとなくなる。里山の温存は美徳でも善でもない。循環型社会に向かうには里山資源を上手く使うこと。早生樹を植える前に蓄積分を伐採して使い、それから広葉樹造林・育林へと進むのが順序。日本の森林の課題として①資源を使わないため森林が荒廃しつつある②木材輸入が極めて多い。1兆2千億円/年③日本の森林施策は人工林間伐と天然林(里山)の景観整備になっている。これでは森林管理とは言えない。共生・循環型社会を取り戻すこと。的を射た極めて厳しいコメントの数々であった。
小憩後は北海道大学吉田俊也教授による「北海道におけるカンバ林施業の可能性」と北海道立総研林産試験場の秋津裕志氏の「北海道産カンバ材の高付加価値利用―家具、楽器など」の講演でシンポジウムは終了、近中局の上野康史氏が同局が結成した「里山広葉樹林活用・再生プロジェクト」の活動報告と今後の展望について説明し村田准教授が「中国地方の里山アベマキの活用」について報告した。
最後に平林会を代表して横尾國治氏(前代表世話人、ユニウッドコーポ会長)が謝意とともに「ウッドショックとコロナの中にも拘わらず235名の申し込みがあり最後まで傾聴いただいた。多くの質問も頂き活発な議論が出来た。大変うれしく思っています」と述べ、今後の活動を約して閉会の言葉とした。


平林会