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大阪市住之江区平林南1-1-8 大阪木材会館2F

2018年9月14日

早生樹(センダン)シンポ 平林で開催

100名超が参加

 

 

産学官共催セミナー「国産早生樹センダンの使い道」が9月14日(金)午後1時30分より住之江区平林の大阪港木材倉庫2階大会議室で開かれた。「早生樹センダン」の植林は従来の環境保護型ではない、あくまでも商売に繋げようとする明確な目的を持った植林である。その「早生樹センダン」の使途や物性データの結果発表とあって全国各地の研究者を中心に、国産広葉樹を渇望するメーカー等から100名近い関係者が出席し「センダン」への熱い視線を感じとれたセミナーとなった。主催は林野庁近畿中国森林管理局・(公社)日本木材加工技術協会関西支部早生植林材研究会・京都府大・京都大学・(一社)平林会、後援は全木連近畿支部・森林組合ほか各方面の林学研究機関。

冒頭、開会の挨拶に立った高野浩文近中局長が台風21号等で被災された方々にお見舞いの言葉を述べたあと「早生広葉樹センダンが枯渇する広葉樹資源の救世主になるよう切望します」と期待を込めて挨拶、発表に移った。
まず近中局の櫻井知企画官が「近中局における早生樹造林の取り組み」をテーマに、これまでの実証結果を発表したあと今後の取り組みについて「試行錯誤を繰り返しながら産地ごとの種子特性の解明、保育経費の検証、荒廃農地(緩傾斜地)の活用、スギとセンダンの混植などを検討する」と報告。続いてパーティクルボードについて日本ノボパンの服部和生氏と永大産業の西垣隆幸氏が、曲げ強さ、曲げヤング係数、吸水厚さ膨張率の試験結果を踏まえ「センダンパーティクルボードの物性は現行仕様のものと比しても遜色がない。センダンチップの混入使用は可能だ」と結論付けた。次にセンダンのMDF評価については永大産業の西垣隆幸氏とホクシンの西川嘉文氏が「試験によってセンダンをMDFの原料として利用する可能性が示唆された」と報告。

小憩後、「センダンの乾燥技術」について「奈良県森林技術センターの成瀬達哉氏が「広葉樹のなかでもセンダンは乾燥しやすい樹種だ」と報告、「センダン合板・LVL開発」に関しては兵庫県森林技術センターの山田範彦氏・永大産業の西垣隆幸氏・ユニウッドコーポの横尾国治氏が「原木から合板を試作した結果、単板製造時の切削加工性や乾燥性、合板製造時の単板の積層接着性などに問題はなく、通常の合板と同様に製造可能なことを確認。センダン合板の性能を評価した結果、複合フローリングの合板として使用している針葉樹合板と同等の性能が確認された」と報告した。

センダン材利用の新たな可能性について、京都大学の村田功二氏と大建工業の大島克仁氏が「トーンウッド(弦楽器用材)」に言及、ワシントン条約で入手が難しいローズウッドやマホガニー・エボニーの代替材として使用できる。特にセンダンはマホガニーに近い、と報告した。宇宙における木材資源の実用に関する報告を京都大学の三木健司氏らが行い、地球外における持続可能な人類社会の形成には「樹木はコントロール可能な最強の資源である」と言い切り、ロマンを感じさせた。

宮藤久士京都府大副学長がセミナーの閉会を宣言したあと参加者は「平林ウッディパーク」に向かい、4年半生・3年半生のセンダン20本を見学した。情報交換会は60名近い出席者、村上高兒平林会理事長の歓迎の言葉と乾杯で歓談に移った


平林会


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