General incorporated association Hirabayashikai
2016年8月5日
平成26年7月より大阪市からプロポーザル方式による一般競争入札で当会が落札した「平林ウッディパーク」の進捗状況の報告会が8月5日(金)午後3時より、大阪港木材倉庫2階会議室で開かれた。
大阪市から9名の担当官と住之江区役所及び高野市会議員も特別参加した。
また、平林会からは村上理事長、小林副理事長、島津専務ら10数名が出席、「平林を考える会」の座長を務める大阪市大の日野教授と佐久間講師も同席した。
報告会は事務局の島崎がプロジェクターを使いながら、以下の内容を説明、理解と協力を求めた。
(1)センダンの植林
平成26年度は道路沿いに京都大学や日本木材加工技術協会関西支部早生植林材研究会と共同で広葉樹「センダン」の苗木10本を植林、さらに平成27年4月には10本、合計20本植林しました。毎月、京都大学の研究者らが調査・研究のために訪れます。現在の日本の森林状況はスギ・ヒノキのオンパレード、林野庁も頭を悩ませているのが実情です。当会が立ち上げた「センダン」はスギ・ヒノキとは異なる広葉樹です。輸入率が100%に近い広葉樹、国産広葉樹の自給に向けた本取り組みは各方面から評価され、全国各地(海外含む)から見学者があります。この全国的な広がりが国を動かし、林野庁は予算に「センダン等」を計上、国家的なプロジェクトにまで成長しました。発祥の地は「平林ウッディパーク」。
26年4月、初めての植林
1年でこんなに成長しました
センダン植樹祭(27年4月
林野庁近畿中国森林管理局の青木局長
平林会の村上理事長
第2回センダンシンポジウムには各地から多数参集しました
遠くミャンマーからの視察団
(2)ウッドデッキの設置
26年度は12月末に平林祭りのステージ部分に国産材(スギ)を使ったウッドデッキを設置しました。27年10月の第11回「木に触れよう!平林祭り」ではウッドデッキの舞台上で各種イベントが催されました。27年度は10月、南側の壁際に新たなウッドデッキを設置しました。同じく「平林祭り」では大阪教育大学の永富教授らと共同で制作した「木のたまごプール」を設置、親子が一緒になって楽しみました。
26年末に完成したウッドデッキ
27年10月に完成したウッドデッキ
新しいウッドデッキ上の木のたまごプール(平林祭り)
第11回木にふれよう「平林祭り」6500人超が来場して大賑わい
昨年に引き続いて秋晴れの好天に恵まれた(一社)平林会(理事長・村上高兒氏、実行委員長・島津浩之氏)・(一社)大阪府木連(会長・中村暢秀氏)主催の≪第11回木にふれよう・平林祭り≫は10月18日(日)に開催されました。来場者数は26年の6000人を上回る6500人、平林祭りのレコードを更新しました。
2年連続して「くまモン」参上
6500人来場して大賑わいの会場内
(4)使いながらの備蓄材活用 災害対策応急仮設ハウス2棟
27年10月18日に開催した「第11回平林祭り」で本邦初の「応急仮設ハウスの組立実演」が実施されました。地域防災の救世主、普段はフェンス等に使いながら有事には見事に仮設ハウスに変身する備蓄も兼ねた一石二鳥のアイデアをひと目見ようと、マスコミを含む大勢の関係者が参集、組立作業を見守
デアをひと目見ようと、マスコミを含む大勢の関係者が参集、組立作業を見守りました。
祭り会場の平林ウッディパークに災害対策用の応急仮設ハウスのモデル棟とウッドフェンス・ウッドデッキを建設・展示するのは平林会と大阪市との約束事。今回、国の補助金を活用する大阪府木連の意向と一致、実現しました。モデル棟は2棟、2×4+CLT仕様(国産材)のモデルと組立実演が行われた1棟、いずれも3坪未満です。
部材は普段はフェンスとして使用、有事には仮設ハウスに変身
平林祭りの当日に組み立て実演
約23分で完成
完成した応急仮設ハウス
CLTを使った応急仮設ハウス
周囲の壁は備蓄されたスギ
「ウッド・トランスフォーム・プロジェクト」と名付けられた1棟は、大阪木材青年経営者協議会(山本孝輔会長)が中心となって推進。平時には木材フェンス等に使用し災害時には簡易な小屋に変身、本格的な仮設住宅が完成するまでの一時使用が可能となり、授乳室・おむつ替え・救護室等に使用。有事には交通網も遮断し物資の運搬も困難になる。だから避難指定場所に前もって備蓄しておく、それもフェンス等に使用しながら。さらに、使用する木材は国産のスギ・ヒノキ。冷たい鉄やアルミ、プラスティック類と違い調湿効果もありストレスの軽減まで期待できるのです。 大青協のメンバー6人で組み立て、約23分で完成しました。素人のボランティアでも約1時間で可能だということです。事前にパネル毎に番号が付けられ、工具類も簡易。当日の模様は夕方のカンテレニュースでも放映されました。実物は平林テニスコート跡地に展示中。(現在、被災地熊本に移設。熊本地震の被災者が使用中)
(5)省エネ対策の一環 ビルの壁にソーラーパネル実験中
都市のヒートアイランド対策が喫緊の課題となっている昨今、都市のビルの壁面に木材を貼り、同時にソーラー発電を行うというトライアル。木材を使った省エネ対策の実験です。26年末に設置したウッドデッキ上で検証中です。
現在発電中
(6)今後の予定=耐震補強工法「壁柱」の実大モデルの設置=
プロポーザルで提案した耐震対策用の「壁柱~一室シェルターで命を守る~」の実大モデルを設置します。先日の熊本地震では新しい耐震基準の住宅も倒壊したと聞きます。耐震補強工法「壁柱」は京都大学と大阪府木材連合会が共同で開発した「一室補強モデル」。安価で手軽に採用できる優れたシステムです。
国産材の間伐材を使うことによって国土を守り、そして一部屋補強で命を守る。老朽化した住宅が密集する大阪市、一般の方にも是非ご覧になって頂きたい優れものです。
(7)その他
3号水面に隣接する「平林ウッディパーク」の次のテーマは「親水空間の有効活用」。平林会では「水都おおさか」をさらにアピールするためのアイデアを鋭意検討する予定です。
※上記の各種取り組みは一般紙・業界紙にも掲載されました。