General incorporated association Hirabayashikai
2015年7月24日
「ようこそ平林へ」と歓迎の言葉を述べる村上理事長
まず近中局の片山宏文課長が「近中局がなぜ早生樹植林に着目し、今後のどのように取り組んでいくのか」をテーマに、同局が取り組む諸施策を説明したあと木材価格の低迷による産地の疲弊克服に向け「今までのような生産者からの一方通行ではなく、川下の企業ニーズを踏まえながらセンダン・コウヨウザン等の早生樹植林を積極的に推進したい」と話した。すでに九州森林管理局管内ではコウヨウザンの分収造林が始まっており、同氏は「センダンでも分収造林による企業参加もありうる」としてセンダンの可能性を示唆した。
シンポジウムの一コマ
続いて熊本県天草の指導林家福田国弘氏が約20年前、広葉樹の特徴である「枝分かれ」を「芽かき施業(開発者は父上の故福田富治氏)」によって通直材にする技術を開発、後述する横尾謙一郎氏(熊本県林業研究所員)らの協力を得て育成、福岡県大川において家具・ツキ板の試作にまでこぎつけた研究成果を発表した。さらに同氏は、センダンが短期伐採を目的とすることから「栽培林業的な側面がある」として、従来型の長期的な林業経営から農業的手法を取り入れた林業経営の可能性について言及した。
熊本発のセンダンの仕掛け人横尾謙一郎氏は、センダンの「植栽適地」を中心に今までの研究データを発表したあと植林には避けては通れない病虫害対策等の諸問題を提起、今後の植林への注意点を促した。 最後の講師は日本木材加工技術協会早生植林材研究会の村田功京大助教、テーマは「センダン材の工業的利用」。産業用植林としてスタートしたセンダンが果して工業的な利用価値があるのか否か。緒について間がないセンダンのサンプルは極めて少なく、今後の生産量も未知数だ。村田氏はまずセンダンが日本(中国含む)では古来からケヤキやキリの代用として使われてきた事実を文献等から紹介したあと「植林木を中心に自生林も利用して一次加工適性試験(製材・乾燥・ロータリーレース・チップ等)を行い、その結果を踏まえて2次加工(製材品・合板・LVL・PB等)について検討を加えたい」と述べ、世話人企業以外の積極参加を呼びかけた。 少憩後、メンバーは1年前に実施した平林の植林地に移動、横尾謙一郎氏の指導のもと「芽かき」の実地指導を受けた。
横尾謙一郎氏が「芽かき」の実践指導
参加者有志で懇親会