平林会NEWS ■ ■ ■ ■ ■ ■
越井木材工業の外壁木質化ヒートアイランド対策の検証
=2015年6月=
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大阪平林の南港通りに面する当会会員の越井木材工業梶i社長・越井潤氏)の本社事務所壁面が木製外装でリニューアルした。これは「国産材を活用したヒートアイランド対策協議会」が推進する事業の一環(平成26年度森林整備加速化・林業再生事業・半額補助)として実施され、平成22年度の大阪木材会館、平成25年度の大阪府立大学に続く木製外装の検証実験の一つである。
外装のデザインは木材会館で使用した数種類からチョイス、内地のスギ材を約100平米の壁面に貼って色合い・経年変化を検証する。東面は「積層ばり・横ルーバー」、正面は「鎧ばり・無双ばり・木口ばり」、西面は「積層ばり・横ルーバー・無双ばり」、5種類のデザインを採用している。
都市部でのヒートアイランド対策が叫ばれて久しい。4年前、検証モデルとして白髪橋の大阪木材会館の壁面に木製外装材が施され、すでにヒートアイランド対策効果だけではなく省エネ効果が報告されている。残念ながら検証中であることを知らない業界人から「変色して汚い、格好悪い」という声も聞く。
今回のモデルには「地域材新規用途導入促進支援」のサブタイトルが付いており、需要拡大が大きなテーマ。一番の課題はコスト面。既存の建物の壁面に取付が簡易な金物を試作し「無双ばり」壁に採用、施工性の向上を検証している。材料面(概算)では鎧ばりが一番高く、無双ばり、木口ばり、積層ばり、横ルーバーの順。
「高熱処理された『サーモウッド』でほとんど対応可能ですが地域によっては不燃処理材も提供します。国が推進する公共建築物等への木質化や東京の港モデルが追い風。長野新幹線長野駅や上越新幹線長岡駅などの自社物件も増えています」(技術開発室堀裕紀氏)。